終夜灯ブライトブライト'

書きたいことを書きたいときに書く練習 アメブロから引っ越し

あなたがわたしにくれたもの

もう少しだけ、例のおじさんの話をさせてください。

 

おじさんの精神的DVに耐えかねて無理やり別れたと言うと10人中9人が「葉っぱちゃん可哀想、厄介なおじさんに引っかかって災難だったね」というリアクションをしてくれます。

確かにめちゃくちゃしんどかったので労いや励ましの言葉を掛けてもらえるのはとても嬉しいし有難いのですが、おじさんと過ごした1年はしんどいだけではなかったのです。それも、どっかのカリガリさんとかが歌ってそうな「辛かったことの方が一杯あったけれど楽しかったことしか今は見えてこないよ」的な意味ではなくて、おじさんの考え方や叱責は、私の人生への向きあい方や日々の暮らしへの考えを大きく変えてくれました。

この記事では、おじさんとの1年間を通じて、私にどんな考え方が身についたか/その結果何を身に付けられたのかを書き残そうと思います。99.9%、自分のためです。自己満足の記事ですいません。いつもじゃが。

 

1.自分を大事にすること

メンヘラ.jpの記事で書いた通りです。自分を大切にしないと、日々の暮らしが適当になって人生に辛い事が増える。そうするとそんな人生が嫌になってまた自分が嫌いになる。そしたら更に早く死ぬことだけを目指して適当な暮らしに拍車がかかる。

付き合い始めの頃、「飲み会を盛り上げることが仕事のできない私の会社における唯一の存在意義」ぐらいに思っており、呼ばれた飲み会は絶対に断らない/勧められた酒はおいしく頂く/相手のニーズに合った酔い方をする、社内無銭キャバ嬢のようなアフター5の過ごし方をしていた私をきつく叱ったときに言われた言葉でした。

最初は「そうやって私に怒鳴って、私を怖がらせる人間のほうが私を大切にしてないだろうがよ!」と思っていましたが、それから飲み会を断ったり、お酒を控えることも増え、結果的に自分のやりたい事ができる時間が増えているなというのに気付いた時に、初めてその言葉の意味を理解しました。

今でも、ご飯を食べる気にならない時やベッドから起きられない時など、自分の時間を自ら無駄にしようとしている時には、その言葉を思い出して背筋が伸びます。

 

2.できないことがあることを認め、それに真剣に向き合うこと

自己肯定感がない癖にプライドだけは高い私は、できないことを他人の前でやるのが嫌で、その状況自体を極力避けて生活していました。運動だったり、車の運転だったり、炊事洗濯だったり。

特におじさんはおじさんなので、何をやらせても基本そつなくこなせるし、それを見ていると自分から何かをするのがどんどん嫌になり、何でもおじさんに任せるようになりました。

それに対しておじさんが言っていたのは「私が葉っぱよりも出来ることが多いのは、葉っぱより長く生きてきたからだ。葉っぱが今から失敗しながら色々やっていけば、要領のいい葉っぱなら私の歳になるころには私よりもっと出来ることが多くなってるだろう。でもそれをやらないままだと、私の歳になっても何もできない葉っぱのままだよ」的なことでした。

でも一方でクソ短気だったおじさんはバック駐車ができない私をRレンジのまま怒鳴りつけて泣かせたこともあったからな…これは…まあ…プラマイゼロだな…

 

3.日々のこまごました「できないこと」は仕組み化すること

出会って間もないころ、部屋を出る前に絶対おじさんが身体を触りながら「1,2,3,4,5」と数えていたのがとても印象的でした。四肢と首の数でも確認しているのだろうか…と思って聞いてみたところ、「忘れ物が多いから、出かける前に大事なものは絶対5点確認するようにしてる。財布、携帯、鍵、時計、ハンカチね」と言われてびっくりした記憶があります。何でもそつなくこなせると思っていたおじさんは、できないことをできるようにするために、創意工夫をするおじさんだったのです。

それから私も、色々なことを仕組み化するようにしました。帰宅後すぐに鍵を置く定位置、脱いだ後の服の種類に応じた置き場所、朝の薬の飲み忘れを防ぐ工夫…

仕組み化して無心でやっていると、気付けば色んな事を苦にせずできるようになっていることに気付いて、たまにそんな自分が誇らしくなります。今までの私なら、「忘れないようにする」「続けられるよう頑張る」という曖昧な気持ちだけで何かを始めてすぐ挫折して「はい結局私には無理」という自分嫌いの悪循環に入っていたのに。

今も、机の脇にミルクティーの入ったポットを置いてお茶を飲みながらブログを書いています。おじさんが「水分補給と、牛乳は栄養があるから飲みなさい」と、いつも買ってきていた紅茶と牛乳。しぶしぶそれを淹れたりカップを洗ったりしてたのですが、それも気付けば習慣になっていました。

トワイニングの紅茶で作ったミルクティー、出かける前の持ち物確認、朝15分のストレッチと瞑想…おじさんを見習って習慣にしようと思って始めたものは他にも沢山あります。どれも始めてから暮らしが少しだけ豊かになって、生きることが少しだけ楽しくなりました。

 

もうおじさんと一緒にいることはないですが、きっとこの習慣を続けたり、新しいことを始めたり、自分を大切にする行動を取ったりするたびに、私はおじさんのことを思い出すのだと思います。

辛い思い出もめちゃくちゃ刻み込んだ上に、そういう大切にしたい教訓や記憶も沢山残していくおじさんは卑怯です。ずるいです。

 

今度はお互い大人になって、いつかどこかでまた笑えたらいいなあ。

 大好きで大嫌いなおじさんの話でした。