終夜灯ブライトブライト'

書きたいことを書きたいときに書く練習 アメブロから引っ越し

2017年11月29日 ヒトリエ HITORI-ESCAPE "2×3" tour Day1 "omote" @ 名古屋APPOLO BASE

もう1週間も経ってしまいましたが、とてもよいライブだったので感想を書こうと思い立ちました。

ヒトリエは1年半ぶり2回目で、前に見に行った時は片手で数えられるほどの神整番だったのに体調を崩して途中で退散するという苦い思い出があったのでめちゃくちゃ楽しみにしてたんすわ!

(ちなみに後日診断してもらったら熱があんまり出ないタイプのインフルでした。名古屋でヒトリエ見た後に体調崩した人がいたら多分私のせい ごめん)

しかもアポロベイスって行ったことないけどめっちゃ狭いハコなんですってね!これはメンバーとの距離も半端なく近いやつでは!高まる期待!と思って会場入ったらまっっっったく前見えませんでした。この光景、先月のsyrup16gでも見たことある!!

 

そんなライブ恒例のデジャブに見舞われていたところ、開演の時間とともに照明が暗くなって、流れてきたのはライブDVDとかで何度も聴いたフレーズ。

1曲めからまさかのセンスレスワンダーでした。この曲がヒトリエを好きになるきっかけだったので特別思い入れがあったのですが、最初に来ると思ってなくて完全に油断してた。絶対ラストだと思ってた。

初っ端から軽く度肝を抜かれて、そこからはもうあれよあれよという感じでした。

 

るらるら後かなんかにちょっとしたMC。結構日が経ってしまったので内容自体はあんまり覚えてないのですが、その中でも記憶に色濃く残ってるのはwowakaさんの立ち振る舞いが機械的すぎる。いやちゃんとにこやかに話してるんですけど、小粋なジョークとかも飛ばすんですけど、でも何かそれが演じられたものに見える時があるというか何というか、なんかユーチューバーの動画を見てるときみたいな変なむず痒さを感じるというか、そしてその一挙一動がなんだかちぐはぐで非常に不思議な感じがしました。前にDEEPERのブルーレイを見たときは、あまり動かずハメを外さず自分の作った世界を完璧に表現するための精密機械みたいだなあと思ったんですが、久しぶりに見たらユーチューバーの人格を埋め込まれたアンドロイドみたいになってて心配になりました。誰だよこのアップデートしたやつ!windows updateの仕業かよ!

 その直後の新曲Lovelessも、動きや歌い方に演じてる感が垣間見えてしまい、こういう所があるゆえんにヒトリエは一皮向けてドカーンと売れたりしないのかなぁと1人で勝手にモヤモヤした気持ちになっていたり。

 

その空気がガラリと変わったのは、アンノウン・マザーグースだったんじゃないかなあと思います。インタビューでも色々言ってたけど、ボカロ界においてwowakaさんの存在感があまりにも大きすぎて、フォロワーが出てきたというよりは「BPMマシマシにして早口高音で、難解っぽいキャッチーな言葉を乗せておけばいいだろ」みたいな、リスペクトの欠片もない二番煎じ三番煎じが濫立したというのは、当時ボカロをかじってる程度だった私から見ても明らかで。wowakaさんはボカロ界を面白くした人である一方で、本人の意図ではないにしろ型のようなものを作ってボカロ界をつまらなくしてしまった人とも言えるなと思っていました。

そんな空気というか風潮というか、正体のわからない暴力みたいなものを受け続けるというのは本人にとっては本当にキツイことなんだろうとこの曲の歌詞を聴いて思いました…が、それと同時に「この詞は相当自信がないと書けないよな」とも感じたり。

 

“つまらない茫然に溺れる暮らし 誰もが彼をなぞる

 繰り返す使い回しの歌に また耳を塞いだ”

“あたしは知ってるわ この場所はいつでも あなたに守られてきたってこと!”

“軋んだ心が 誰より今を生きているの”

 

自分がボカロシーンに相当な影響を残してきたという自負、後続のPたちが自分の音楽性に影響を受けすぎてしまったという自負、そしてそんな彼らよりも今自分がヒトリエとして創っている音楽の方がよっぽどリアルで生々しくて格好いいんだという自負。言葉にするとめっちゃ驕り高ぶってんなオイって感じですがそこに厭味はなくて、むしろそんな本音を乗せた歌をうたうwowakaさんは、それまでのアンドロイド(ユーチューバー機能搭載)よりもずっと人間らしくて格好良かったです。そんなwowakaさんの思いに応えるように、サビ後に一緒に歌うファンの人達の姿を見て、「こういう曲を作って、こういう想いをぶつけられて、それを受け止めてくれる人たちが沢山いるという事実はとても幸せなことだろうなあ」と、なぜか私が泣きそうになりました。

 

そんでもってその後のプリズムキューブからのNONSENSEが超ーーーーーーーーーかっこよかったんすわ!!!!!!私NONSENSEめっちゃ好きなんですが、前回はライブでやってくれたのかどうか記憶にすらない(しんどすぎて)ので、万全のコンディションで聴けて感無量。しかもwowakaさんとシノダさんが向かい合ってめっちゃ楽しそうに間奏のギター弾いてたり、途中であらぶりすぎてメガネがぶっ飛んでたり、さっきまで機械みたいだったwowakaさんが途端に人間くさく見えてきて、ほんとにさっきまでの人と同じかこの人は…!と目を疑ったよね。それからちょっとしてヒトリエライブ終盤恒例・wowakaさんのちょっといい話みたいなMCが始まったんだけど(失礼)、その喋りにもさっきまでのユーチューバー感は全くなくて。想いをどんな言葉に込めれば届くのか、探り探りで言葉を紡ぐからどうしても言葉数が多くなってしまうのだろうか。少し息を荒げながら、視線を逸らしながら、早口でまくしたてるオタクみたいになってたんですけど、全然そっちの方が心打たれたしカッコいいよと思った。

 

MCは「30年間ずっと自分が生きていてもいい理由を探していたけど、ヒトリエをやってこういうライブをして、やっとそれが見つかり始めた気がする。だから自分達も、生きていてもいい理由や自分の居場所がわからない人たちにとって、せめて逃げ場所を作れればと思って、この「HITORI- ESCAPE」という名前のライブをずっとやってきました」的な内容だったかな。生きていてもいい理由、存在しててもいい理由を探し続けて一度は初音ミクに辿り着いたwowakaさんにとって、模倣品や二番煎じが増えていく様は、自分の価値がどんどん陳腐なものになっていくようなものに感じたのかもしれない。最初インタビューで「ボカロシーンがあんななって、2年ぐらい何もせず酒ばっか飲んで腐ってた」って言ってるのを見た時は「別にwowakaさん自体が誹りを受けたわけでもないし、影響を残してる証拠なんだから、気にせず曲作ればよかったのに」と正直思ったんですけど、このMCを聞いて印象が変わりました。

生きてる理由、じゃなくて生きていてもいい理由、という言葉を使うあたりに今までの辛く苦しい気持ちが垣間見れた気がしたし、その苦しみをここまで創作活動を続けるエネルギーに変えることができたwowakaさんは本当にすごい。

 

そんなMCを終えて最後に歌ったリトルクライベイビーがとても格好良かったです。昔のヒトリエの曲はどこか第三者的な立場の曲というか、wowakaさんじゃない誰かの気持ちを歌っているものが多いような気がしましたが、IKIの曲は彼らの生をリアルに伝えるようなものが多くて、その中でも特にこの曲からは生のエネルギーみたいなものが感じ取られてすごく好き。生きるのが楽しいとか苦しいとかじゃなくて、生きるということそのものの力。こういう曲は、機械に歌わせるのでも機械のように歌いこなすのでもなく、くしゃくしゃになって生きるwowakaさんというひとりの人が生をぶつけて歌うことに意味があるのだと思いました。良いライブでした。

 

ここまでほぼ他のメンバーのこと書いてないけど他のメンバーもちゃんと見てたよ。

イガラシさんは相変わらずベースがうますぎて見てたら凹むのでこれ以上かっこよくならないでほしい。というか改めて見たらあの人めちゃくちゃ綺麗な顔立ちしてるな。いわゆるイケメンって感じでもないんだけど顔の造形が美しいというか余計な凹凸がないというか…オリエント工業で作られてそうっていうか…(最悪)シノダさんはシノダさんでたまにギターを持ったゴリラに見えるし、wowakaさんは途中までユーチューバーの人格をインストールされたアンドロイドに見えたし、このバンドに人間はいないのか!!!と思ったけど最後に立って挨拶してたゆーまおさんが本当にその辺にいそうなオタク青年って感じで安心しました。オフ会行ったらああいう人いそう。二次会の途中で疲れちゃって一人で抜けてゲーセン寄って帰ってそう。

アンコの後でシノダさんがキメ顔でハンドスピナー回しながら「この一か八かのグッズ…出したもののダメだったら俺の首が飛びます、買ってください」って言ってて可愛かったです。シノダさんはwowakaさんに基本敬語なのね…あの辺の力関係が気になる木。

 

とてもよいライブでした。残念なことにuraは仕事で行けなかったので次は3月のクワトロ!楽しみじゃ!!