終夜灯ブライトブライト'

主に日記やライブレポ、たまにポエマーと化す

ひとみる、ひとみ

他人の表情を見ることが、得意でもあり苦手でもあることに気付いた。表皮の示す歪みや皺から悪意や下心を察知することはもはや癖と言っていいほどなのに、その一つ奥の層に踏み込もうとすると途端にわけがわからなくなる。なんの意味もないと知っているのに、言葉なんて不確かなものに縋ってしまうほどに、わたしにとってひとの瞳の奥のやわらかな気持ちというものは理解しがたい存在なのだ。もっと正確に言おうとすれば、理解することを全身が拒否している。それを理解しようと感受性のゲインを上げる行為は、記憶の中におぼろげに残るあの日の表情さえも拾い上げて耳障りなノイズに変える。唇を震わせて泣きそうな顔で笑ったその瞳の奥を覗けば、自分まで深い穴に落ちてしまいそうで、ただただ怖かった。

意図を知りたくないと思わされ続けていた不幸を呪えば良いのか、意図を知りたいと心から思うようになれた幸運を祝えば良いのか。そんな問いかけが暗い空洞の中に音を立てて落ちてくるのを、涙目で見ることしか今の私にはできない。