終夜灯ブライトブライト'

主に日記やライブレポ、たまにポエマーと化す

感情を認識するまで

初めに知覚できるものとして現れたのは、吐き気だった。嘔吐をするときのように大きく息を吸い込み胸に力を入れると、吐瀉物の代わりに激しい空咳だけが口から出た。

それがなんの感情なのかは分からなかった。しかし吐き気と空咳だけが止まらず、「こんな苦しいものを無意識のうちに抱えているのか」という考えが頭をよぎった瞬間、ひとりでに涙が溢れ始めた。大きな咳をして、涙を流して、その涙が一通り出尽くしたと思ったら、また胸のあたりに吐き気が込み上げてきて。そんなことを十分程繰り返していると、この一連の感覚が何かに似ていることに気付いた。身体感覚に関する記憶というあやふやな物を思い出すのには骨が折れるかと思われたが、頭を働かせるよりも早く直感的に「怒り」という言葉が浮かんだ。その言葉が自分の中に積もり積もったものとして正しいか考える間もなく、気付けば堰き止められていたものが決壊するように嗚咽が溢れていた。